ステンレス鋼部品の仕上げ:パッシベーション
パッシベーションプロセスは、ステンレス鋼部品が酸素環境にさらされると形成される化学膜です。このパッシベーション膜の形成は、部品表面の汚れ、油、グリース、そして遊離鉄によって損傷を受けます。そのため、特別なパッシベーションプロセスが設計されて、これらの不純物を除去するようになっています。
■ 標準
ASTM規格A380およびA967は、さまざまな種類の部品や産業に対する良好なパッシベーションの手法に関するガイドラインを提供しています。これらの規格は、ステンレス鋼のパッシベーションの受け入れ可能な方法を詳細に説明し、パッシベーションの成功率を測定するためのテストを提供しています。
■ 処理
クリーニングはパッシベーションプロセスの最初のステップです。必要なクリーニングの種類は、汚染物質と部品の形状によって異なります。クリーナーは除去する土壌の種類に適しており、安全および環境規制に従って取り扱う必要があります。
■ 酸の選択
このステップの目的は、最後の工程後に残る可能性のある遊離鉄および汚染物質を除去し、耐食性を向上させることです。ニトリック酸は、このパッシベーション工程において常に伝統的な酸として選ばれてきましたが、ASTM A967およびAMS2700Cの両方でクエン酸の使用が許可されています。クエン酸は、安全性と環境の面でニトリック酸よりも優れているため、クエン酸が開発されました。
■ すすぐ
パッシベーション浴の直後に1回以上すすぎを行います。すすいだ部分は速やかに乾燥させる必要があります。
■ 仕上げ
パッシベーション、すすぎ、乾燥が完了した後、部品は表面に欠陥や遊離鉄の汚れがない状態であるべきです。